「形が長い形容詞」はどうするの?

前回の記事 では、「形容詞に -er をつけて“〜より〜”を表す方法」を学びました。
たとえばこんな形でしたね。
This dog is cuter than that one. (この犬はあの犬よりかわいい。)

でも「長い形の形容詞」だとどうなるの?
たとえばこんなやつ。
This book is interestinger than that one.

こういうときに使うのが「more + 形容詞」の形です!
今回は、この形で表す比較の表現を学んでいきましょう。
【基本①】「more + 形容詞」で表す比較級

「長い形の形容詞」は、more + 形容詞 + than ~ で比較します。
(例)This book is more interesting than that one. (この本はあの本よりおもしろい。)
よく使われる「長い形の形容詞」
形容詞 | 意 味 |
---|---|
interesting | おもしろい |
important | 大切な |
beautiful | 美しい |
difficult | 難しい |
expensive | 高価な |
コラム|ただのルールじゃない! “発音の長さ”で考えるとわかりやすい

どうして形容詞によって、比較級の作り方がちがうの?

それは「文字の長さ」ではなく「発音の長さ(=音節:syllable)」がヒントになります!
音節(おんせつ)って?
音節は、英語の「声のかたまり」のこと。英単語をゆっくり読んだときの“区切りの数”です。
- short(ショート) → 1音節(しょーと)
- clever(クレバー) → 2音節(ク・レバー)
- important(インポータント) → 3音節(イン・ポー・タント)

「どこで切るか」は英語の発音を聞いて感じ取るのがコツ!
リズムよく読んでみましょう。
ルールのヒントは音節にアリ!
音節数 | 比較級の作り方 | 例 |
---|---|---|
1音節(短め) | 形容詞+er | small → smaller(スモーラー) fast → faster(ファスター) |
3音節以上(長め) | more + 形容詞 | difficult → more difficult(モア・ディフィカルト) popular → more popular(モア・ポピュラー) |
2音節(中間) | 両方使える場合も | clever → cleverer / more clever(クレバーラー/モア・クレバー) |
音で感じる英語!

英語はリズムがとっても大切な言語です。
耳で覚えると、使うときにもスッと口から出てきますよ♪

ただの丸暗記より、「音で感じるルール」のほうがずっと覚えやすいよね!
【使い方①】肯定文|more + 形容詞で「〜より○○だ」
肯定文とは、いわゆる普通の文のことです。書いてある意味の通りの文のことを指します。
基本の語順とルール
「more + 長い形容詞 + than〜」で、「〜より〇〇だ」と比べる文を作れます。
A is more ○○ than B.

形容詞の比較級

まずは形容詞を使って比較する場合の例文を見てみましょう。
- This song is more popular than that one. (この曲はあの曲より人気があります。)
- Science is more difficult than history. (理科は社会より難しいです。)
- My new bag is more useful than the old one. (新しいかばんは古いものより便利です。)
副詞の比較級

次は副詞の場合です。
- Tom studies more carefully now. (トムは今、もっと注意深く勉強しています。)
- She finished her homework more quickly than her brother. (彼女は兄より早く宿題を終えました。)
語順チェック

実は、動詞が be動詞でなくてもOKなんです!
主語 + be動詞 + more + 形容詞 + than ~
(例)He became more famous after the movie. (その映画のあと、彼はもっと有名になった。)
【使い方②】否定文|not more + 形容詞で「〜ほど〇〇ではない」
否定文とは、肯定文とは逆の意味、つまり内容を否定する文のことを指します。
基本の語順とルール
more の前に not をつけることで、「〜より〇〇というわけではない」「〜ほど〇〇ではない」と言えます。
A is not 〇〇er than B.
形容詞の比較級

それでは、形容詞を使って比較する場合の例文を見てみましょう。
- This test is not more difficult than the last one. (このテストは前のテストほど難しくないです。)
- She is not more beautiful than her sister. (彼女は妹より美しいわけではありません。)
- This movie is not more interesting than the book. (この映画は本ほどおもしろくないです。)
副詞の比較級

次は副詞の場合です。
- I don’t drive more carefully than my father. (私は父ほど注意深く運転しません。)
- The students don’t speak more loudly than the teachers. (生徒たちは先生たちほど大声で話しません。)
補足|「〜より〜ではない」は、逆の意味になることも?

否定の比較文では、「〇〇より〜ではない」と言いながら、
実は「〇〇のほうが〜かも」という逆の意味になることがあります。
(例1)This movie isn’t more interesting than the last one. (この映画は前のよりおもしろくない。)

つまり、「前の映画のほうがおもしろかった」と伝えているんだね。
(例2)He doesn’t study more seriously than his sister. (彼は妹よりまじめに勉強していない。)

このときも、「妹のほうがまじめ」または「同じくらい」という意味が含まれています。
ポイント
否定の比較級は、「〜ではない」だけじゃなく、相手をほめる・評価するニュアンスになることもある!
【使い方③】疑問文|Is A more ○○ than B?
疑問文とは、相手に尋ねたり依頼したりするときに使う文のことです。
基本の語順とルール
比較の疑問文では、Is / Are + 主語 + more + 形容詞 + than ~? の形を使います。
Is A more ○○ than B?
Yes, it is. / No, it isn’t.
形容詞の比較級

それでは、形容詞を使って比較する場合の例文を見てみましょう。
- Is this game more exciting than that one? (このゲームはあのゲームよりおもしろいですか?)
- Are cats more popular than dogs in your country? (あなたの国では、猫は犬より人気ですか?)
- Are dolphins more intelligent than dogs? (イルカは犬より賢いですか?)
副詞の比較級

次は副詞の場合です。
- Do you work more effectively than before? (前より成果が出るような働き方をしていますか?)
- Are dolphins more intelligent than dogs? (イルカは犬より賢いですか?)
【使い方④】名詞を修飾する比較級
比較級を学び始めたばかりの生徒からよく出る質問です。

比較級は、名詞の前に置いて「より〜な〇〇」というふうに、名詞をくわしく説明するときにも使えます。
形:a more + 形容詞 + 名詞
- a more beautiful flower (より美しい花)
- a more useful app (より便利なアプリ)
- a more exciting game (よりワクワクするゲーム)

文で使うとこんな感じだよ!
- I need a more comfortable chair. (もっと座りやすいイスがほしいです。)
- This is a more interesting book than that one. (これはあれよりおもしろい本です。)
同じ意味の言いかえもできる!
(例1)This is a more beautiful flower than that one. (これはあれよりも美しい花です)
(例2)This flower is more beautiful than that one. (この花はあれよりも美しいです)

文の形がちがうだけで、「名詞をくわしく言う」か「主語をくらべる」かの視点のちがいなんです。

This is ~とThis~ isの視点のちがいについては、この記事で詳しく説明してるよ!
【使い方⑤】「1つとその他」を比べる表現
(例)Ken is more careful than any other student in the class. (ケンはクラスのどの生徒よりも注意深い。)

「他のすべてと比べて一番」という意味でも、比較級 + any other を使います。
最上級っぽく見えますが、あくまで比較級。
文法的には「1人 vs その他」の比較です。
練習問題|比べて選ぼう!

英語の文の意味に注意して、正しい方を選んでください。

このクイズができれば、この記事の文法はクリアだよ!
解くとき、否定文が出てきたら注意してね。
まとめ

今回の重要ポイントを振り返りましょう。
無料プリント|比較② 「more + 長い形容詞 than」

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