
中3の文法で、もしかすると一番日本人になじみがないのではないかという現在完了形の英文法。
現在完了形を使うと、過去のある時点から今のことまで、一文の中でまとめて表現できてしまいます。

今回は、現在完了形の中でも経験用法にスポットを当てて、ていねいに解説していくよ!
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ぜひ取り組んでみてくださいね!
現在完了形とは?
過去のある時点から今のことまで、1文の中でまとめて表現できる文法です。
現在完了形(経験用法)の肯定文
肯定文とは、いわゆる普通の文のことです。書いてある意味の通りの文のことを指します。
現在完了形(経験用法)の肯定文は、「(今までに)~したことがある」というように、今までに経験したことがあることを伝える時に使えます。
基本の語順とルール
現在完了形の文を作る時は、助動詞haveを使います。
その後ろにくるのは動詞の過去分詞形です。

(例)I have watched this movie twice. (私はこの映画を2回見たことがあります。)
主語の「私」が、今この話をしている時点で、過去のどの時点かは分からないけれど、この映画を2回は見たことがあるよと経験したことについて話しています。

現在完了形と過去形の大きな違いの一つに「過去のどの時点かは分からない」という点があります。
現在完了形では、経験したことがあるかどうかという視点にしぼって出来事を説明するので、具体的にいつの出来事だったかは説明しません。

逆にいつのことなのか具体的に説明したい時は、下の例のように過去形を使うとよいでしょう。
(例)I watched this movie last Saturday. (先週の土曜日、この映画を見ました。)
それでは、肯定文の他の例文も見てみましょう。
- I have eaten fish and chips in the U.K. (私はイギリスでフィッシュアンドチップスを食べたことがあります。)
- We have held a concert on that great stage. (ぼくたちはあのすばらしいステージでコンサートを開催したことがあります。)
- Aiko has eaten expensive sushi. (あいこは高価な寿司を食べたことがあります。)
- He has visited Paris. (彼はパリを訪れたことがあります。)

たとえば1. や2. のように、主語が1人称、2人称の場合は、助動詞haveはそのままの形(haveのまま)で使います。

3. や4. のように主語が3人称単数の場合は、助動詞haveの形はhasに変わるんだね。
次は否定文について学びましょう。
現在完了形(経験用法)の否定文
否定文とは、肯定文とは逆の意味、つまり内容を否定する文のことを指します。
現在完了形(経験用法)の否定文では「(今までに)~したことがない」という意味の文を作ることができます。
基本の語順とルール
文を否定の意味にするには、neverを用いて、have + never + 過去分詞の語順に並べます。
neverは「一度も~ない」という意味の副詞です。

(例)I have never seen a famous star. (ぼくは有名人に会ったことがありません。)

このように、過去から現在までの間にしたことがないこと(経験したことがないこと)について説明できます。
それでは、他の例文も見ていきましょう。
- I have never had dogs. (私は犬を飼ったことがありません。)
- They have never taken part in the prefectural tournament. (彼らは県大会に出場したことがありません。)
- Yuto has never written a letter in English. (ゆうとは英語で手紙を書いたことがありません。)
- She has never played baseball. (彼女は野球をしたことがありません。)

たとえば1. や2. のように、主語が1人称、2人称の場合は、助動詞haveはそのままの形(haveのまま)で使います。

3. や4. のように主語が3人称単数の場合は、助動詞haveの形はhasに変わるんだね。
次は疑問文について学びましょう。
現在完了形(経験用法)の疑問文
疑問文とは、相手に尋ねたり依頼したりするときに使う文のことです。
現在完了形(経験用法)の疑問文では「(今までに)~したことがありますか?」と尋ねる文を作ることができます。
基本の語順とルール
疑問文では、他の助動詞の疑問文と同じく、助動詞haveを主語の前にもってきます。

さらに、経験用法の疑問文では、よく副詞everが用いられます。
everは「今までに」と経験があるかどうかを確かめる意味が含まれた単語です。
答える時はYes/Noを使います。後ろには主語 + haveが続きます。

(例)Have you ever listened to his songs? (彼の歌を聞いたことはありますか?)

(例)― Yes, I have. (はい、あります。)
― No, I have not. (いいえ、ありません。)
[ Never. (一度もありません。)]
このように、過去から現在までの間に経験したことがあるかどうかを尋ねることができます。
「いいえ(一度もありません)」と答える時には、Never. を使うこともできます。
それでは、他の例文も見ていきましょう。
- Have you ever eaten raw fish? (今までに生魚を食べたことはありますか?)
― Yes, I have. (はい、あります。)
― No, I have not. (いいえ、ありません。) - Have they ever been to Egypt? (彼らはエジプトに行ったことがありますか?)
― Yes, they have. (はい、あります。)
― No, they have not. (いいえ、ありません。) - Has Aiko ever talked to Ms. Gold? (あいこはゴールドさんと話したことはありますか?)
― Yes, she has. (はい、あります。)
― No, she has not. (いいえ、ありません。)
次は経験用法で「経験したことがある回数」を伝える方法について学びましょう。
経験用法で「経験したことがある回数」を伝える
現在完了形(経験用法)では、「今までに○回したことがあります。」というように、過去から現在までの間に(動詞のことについて)何回(経験)したことがあるかを伝えたり尋ねたりすることもできます。
- How many times have you ever been to Hawaii? (今までに何回ハワイに行ったことがありますか?)
― I have been to Hawaii once. (1回行ったことがあります。) - How many times has Josh seen lions? (ジョシュは今までに何回ライオンを見たことがありますか?)
― He has seen them many times. (何度も見たことがあります。)
疑問文では文頭にHow many timesを付けることで、回数を尋ねる表現にすることができます。
また答える時は、文末に回数を表現する語句を付け加えます。
助動詞 have の短縮形
be動詞や一部の他の助動詞と同じように、助動詞haveも短縮して使うことができます。
- I’ve swum in the river several times. (私は川で数回泳いだことがあります。)
- We’ve seen the Olympic Games in person. (私たちは生でオリンピック競技を見たことがあります。)
- She’s never done judo. (彼女は今までに一度も柔道をしたことがありません。)
まとめ

今回の重要ポイントを振り返りましょう。
【練習問題】パターンプラクティスにチャレンジ!
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