
「現在完了形」と「過去形」ってどちらも過去のことを表すから、よく似てるよね。

でも、意味や使い方には大きな違いがあるんです。
たとえば…
- I have visited Kyoto twice. (現在完了;経験)
- I visited Kyoto 10 years ago. (過去の出来事)

このように、似ているようで使い方はちがいます。
この記事では、現在完了形の3つの使い方(経験・完了・継続)を
過去形との違いに注目して、やさしく解説していきます。
現在完了形とは?【基本の形と意味】
過去のある時点から今のことまで、1文の中でまとめて表現できる文法です。
基本は 助動詞 have + 動詞の過去分詞形
現在完了形の基本は、助動詞 have + 動詞の過去分詞形
主語によって「have」と「has」が変わる
主 語 | 使う動詞 |
---|---|
I / you / we / they | have |
he / she / it | has |
- I have had lunch. (私は昼ごはんを食べました。)
- She has finished her homework. (彼女は宿題を終えました。)
過去形との違いって?

「過去形」も「現在完了形」も過去のことを表しますが、次のような違いがあります。
文 法 | 意味のイメージ |
---|---|
過去形 | 過去の“ある時点”で起きたこと(今とは関係ない) |
現在完了形 | 過去に起きたことが“今にも関係している” |
- I had a fever yesterday. (私は昨日、熱がありました。)
- I have had a fever since yesterday. (私は昨日からずっと、熱があります。)

過去形では、過去のある時点の話しかできません。
(例)I had a fever yesterday. (私は昨日、熱がありました。)

昨日は熱があったことが分かりますが、今現在どうなのか(熱があるのかないのか)は分かりませんよね。
では、現在完了形を使うとどうなるのでしょうか。
(例)I have had a fever since yesterday. (昨日から熱があります。)


じゃあ次からは、3つの用法に分けて、過去形との違いを見ていこう!
現在完了形<経験> vs 過去形
<経験>の現在完了:I have visited Kyoto twice.
(例)I have visited Kyoto twice. (私は京都に2回行ったことがあります。)

今までの人生の中で経験したことを表していますね。

つまり「京都に行ったことがある」という事実が “今の自分にとって大事な経験として残っている”っていうことを表しているんだね。
過去の出来事としての過去形:I visited Kyoto 10 years ago.
(例)I visited Kyoto 10 years ago. (私は10年前に京都に行きました。)

これはあくまで「10年前」という“過去のある時点”での出来事を表していて、今とは関係がありません。

経験を語るというより、「過去に一度あったこと」を伝えているんだね。
NG例:× I have visited Kyoto last year.
(例)I have visited Kyoto last year.

「last year」など、過去の“はっきりした時”を一緒に言うときは、現在完了形は使えません。

正しくは「I visited Kyoto last year.」だよ!
まとめ|比較表
用 法 | 例 文 | ポイント |
---|---|---|
経験の現在完了 | I have visited Kyoto twice. | 今の自分にとって大事な経験として残っている。 |
過去形 | I visited Kyoto 10 years ago. | 過去のある時点での出来事。今とは無関係。 |
現在完了形<完了> vs 過去形
<完了>の現在完了:I’ve just finished lunch.
(例)I’ve just finished lunch. (ちょうど今お昼ご飯を食べ終わったところです。)

例のように、今起こったばかりの動作の完了を表しています。

今とつながっている「終わった状態」を伝えるのが現在完了の完了用法ってことだね。
完了を過去形で言う場合:I finished lunch at 1 p.m.
(例)I finished lunch at 1 p.m. (午後1時にお昼ご飯を終えました。)

終わった「時刻」がはっきりしているので、過去形を使います。
時間が明確なときは、現在完了ではなく過去形を使うのがルールです。

正しくは「I visited Kyoto last year.」だよ!
まとめ|比較表
用 法 | 例 文 | ポイント |
---|---|---|
完了の現在完了 | I’ve just finished lunch. | 今とつながっている「終わった状態」を表す。 |
過去形 | I finished lunch at 1 p.m. | 終わった時間がはっきりしている時に使う。 |
現在完了形<継続> vs 過去形
<継続>の現在完了:I’ve studied math for 2 hours.
(例)I’ve studied math for 2 hours. (私は2時間ずっと数学を勉強しています。)

2時間ずっと数学を勉強していて、今もしている(または、今終わったばかり)」という意味です。

「ずっと~してる」って、途中でやめずに続けていることを表すのが、現在完了の継続用法なんだね。
- for:期間を表す(例:for two hours / for a week)
- since:ある時点から今まで(例:since yesterday / since 2020)
過去の2時間だけなら過去形:I studied math for 2 hours.
(例)I studied math for 2 hours. (私は2時間、数学を勉強しました。)

「過去のある時に2時間だけ勉強した」という意味です。
今とは関係がなく、すでに終わった出来事として話しています。
まとめ|比較表
用 法 | 例 文 | ポイント |
---|---|---|
継続の現在完了形 | I’ve studied math for 2 hours. | 2時間ずっと勉強していて、今も続いている。 (または今終わったばかり) |
過去形 | I studied math for 2 hours. | 過去のある時に2時間だけ勉強した。今とは関係なし。 |
【番外編】現在完了進行形 vs 過去進行形
現在完了進行形:I have been studying for 2 hours.
(例)I have been studying for 2 hours. (私は2時間ずっと数学の勉強をしています。)

「2時間ずっと勉強していて、今も続いている」という意味です。
「ずっと〜している」「今も続いている行動」を強調したいときに使います。
過去進行形:I was studying when you called me.
(例)I was studying when you called me. (あなたが電話したとき、私は勉強していました。)

過去のある時点で行動が進行中だったことを表します。
使い分けクイズで理解チェック!

現在完了形と過去形の違い、
なんとなく分かった気がするけど、本当に使い分けできるかな…?

そんな方のために、クイズ形式で理解度をチェックできるコーナーをご用意しました!
○×問題:現在完了?過去形?

楽しく○×で判断するだけで、自然と使い分けの感覚が身につきます!
次の英文が正しければ○、間違っていれば×を選びましょう。
例:I have eaten lunch at 12. → ×(“at 12” のような具体的な時は過去形)
- I have seen that movie last weekend.
- She has already finished her homework.
- We visited the museum two times.
【解答と解説】 [open]
1. × →「last weekend」は具体的な過去の時点なので過去形が必要。正しくは:I saw that movie last weekend.
2. ○ →「already」は現在完了とよく使われる副詞。完了用法で正しい。
3. × →「two times」は経験を表すので現在完了を使うべき。正しくは:We have visited the museum two times.
用法分類:経験 / 完了 / 継続を仕分ける

与えられた英文が、「経験」「完了」「継続」のどの用法かを仕分ける問題です。
それぞれの用法の特徴を再確認しながら、実戦的に理解を深めましょう。
次の英語の文は現在完了のどの用法でしょうか。
例:I have been busy since this morning. → 継続
- I have never been to Canada.
- She has just left the house.
- They have lived in this town since 2010.
【解答と解説】 [open]
1. 経験(never ~したことがない)
2. 完了(just ~したばかり)
3. 継続(since ~からずっと)
英作文:与えられた状況を英語で表す

場面が与えられたときに、現在完了と過去形、どちらを使えばよいかを判断して、英文を作ってみましょう。
英作文のトレーニングで、使い分けが“自分の言葉”として定着していきます。
次の日本語を英語で書きましょう。
例:私は3回この映画を見たことがあります。→ I have seen this movie three times.
- 私は以前に彼に会ったことがあります。
- 昨日、私たちはサッカーをしました。
- 彼は1時間ずっとピアノを弾いています。
【解答と解説】 [open]
1. I have met him before.(※経験用法)
2. We played soccer yesterday.(※具体的な時がある → 過去形)
3. He has been playing the piano for an hour.(※現在完了進行形/継続)
まとめ

今回の重要ポイントを振り返りましょう。
無料プリント|現在完了形と過去形の使い分け

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ご家庭や授業での復習に、ぜひご活用ください。
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